自宅でコウモリを見つけると、「市販の忌避剤などを使って自分で追い出せないか」と考える方もいると思います。
室内に1匹だけ迷い込んだ場合など、自分で対応できる可能性があるケースもあります。しかし、屋根裏・換気口・戸袋・シャッターボックスなどに住み着いている場合は、追い出すだけでは根本的な対策になりません。
建物に住み着いたコウモリへの対策は、高所での調査、適切な追い出し、侵入口の特定と封鎖、フンの清掃などが必要になるため、専門業者へ相談する方法が基本です。
建物に住み着いている場合は専門業者への相談が基本
コウモリ対策で重要なのは、目の前にいるコウモリを一時的に追い払うことではなく、建物内から追い出したうえで、再び侵入できない状態にすることです。
専門業者への相談をおすすめする主な理由は、次のとおりです。
- 屋根、軒下、2階の換気口などの確認には転落の危険がある
- 現在使われている侵入口だけでなく、周辺の侵入候補も確認する必要がある
- コウモリが残った状態で穴をふさぐと、建物内に閉じ込めるおそれがある
- 捕獲や殺傷は鳥獣保護管理法の許可制度に関係する
- フンの清掃では、直接触れたり、乾燥したフンやほこりを吸い込んだりしないよう注意が必要
- 追い出し後の清掃や、必要に応じた消毒まで検討する必要がある
被害場所や建物の構造によって必要な作業は変わります。無理に自分で作業するより、どこから侵入しているのか、どの範囲を封鎖するのかを現地で確認してもらう方が安全です。
自分で行うなら安全な場所からの状況確認まで
業者へ問い合わせる前に、危険のない範囲で被害状況を整理しておくと相談がスムーズです。
- コウモリを見かけた場所と時間帯を記録する
- どの方向へ飛んでいくか、どこへ戻ってくるかを地上から確認する
- フンが落ちている場所を、触らずに安全な位置から撮影する
- 換気口、戸袋、シャッターボックス、軒下など、気になる場所を地上から確認する
- 天井裏や壁の中から音がする時間帯を記録する
- 過去に追い出しや封鎖を行ったことがあれば、その時期と場所を整理する
屋根へ上がったり、高い場所をはしごで確認したりする必要はありません。写真も、安全な場所から撮影できる範囲で十分です。
自分では行わない方がよい作業
屋根や高所での調査・封鎖
コウモリの侵入口は、屋根と外壁の隙間、破風、軒天、2階の換気口などに見つかることがあります。これらの場所を確認・施工するには転落の危険があります。
脚立やはしごで無理に近づかず、高所作業の方法も含めて専門業者へ確認してください。
コウモリを捕まえたり傷つけたりすること
野生鳥獣の捕獲や殺傷は、鳥獣保護管理法により原則として禁止されており、必要な場合は許可制度の対象になります。追い出しと捕獲は同じではありません。自分で捕まえようとしたり、粘着シートなどで動けなくしたりしないでください。
詳しい制度は、環境省の「捕獲許可制度の概要」や、お住まいの自治体へ確認してください。
コウモリが出たことを確認せずに侵入口をふさぐこと
侵入口らしい隙間を見つけても、すぐにふさぐのは避けてください。建物内にコウモリが残っていると、内部に閉じ込めたり、別の場所から室内へ出てきたりする可能性があります。
子どものコウモリが飛べない時期や、活動が少ない時期は、建物内に残っているか判断しにくいこともあります。追い出す時期と封鎖するタイミングは、現場の状況を確認して判断する必要があります。
乾燥したフンを素手で触る・そのまま掃き上げること
コウモリの体やフンには、病原体が付着している可能性があります。乾燥したフンやほこりが舞う清掃方法は避け、素手で触らないようにしてください。
大量のフンがある場合、屋根裏など換気しにくい場所にある場合、清掃場所へ安全に近づけない場合は、専門業者へ相談してください。動物由来感染症の一般的な注意点は、厚生労働省の「動物由来感染症を知っていますか?」でも案内されています。
忌避剤で追い出すだけでは再発することがある
市販の忌避スプレーやくん煙タイプの商品で、一時的にコウモリが出ていくことはあります。しかし、侵入口が残っていれば、同じ場所や近くの隙間から再び入り込む可能性があります。
また、建物の構造や使用場所によっては、薬剤が生活空間へ流れ込む、火気や電気設備の近くで使用してしまう、コウモリが建物内の別の場所へ移動するといった問題も考えられます。製品を使用する場合は表示された使用方法と注意事項を守り、無理な使用は避けてください。
根本的な再発防止には、追い出しと侵入口封鎖を適切な順番で行うことが重要です。
専門業者へ依頼するときに確認したい作業内容
専門業者へ相談するときは、「コウモリ駆除一式」という説明だけで判断せず、次の内容を確認してください。
- どこを調査するのか
- 現在の侵入口をどのように判断したのか
- 追い出しと封鎖をどのような順番で行うのか
- どの場所を、どの資材でふさぐのか
- フンの清掃や消毒は見積もりに含まれているか
- 足場や高所作業車が必要か、必要な理由は何か
- 追加費用が発生する可能性と条件
- 保証期間だけでなく、保証の対象範囲
特に、追い出しだけで終わらないか、現在使われている場所だけでなく周辺の侵入候補も確認するかを聞いておきましょう。
専門業者へ相談した方がよいケース
- コウモリを複数回見かけている
- 毎日のように同じ場所へフンが落ちている
- 夕方に換気口や屋根まわりから出入りしている
- 天井裏や壁の中から物音がする
- 屋根、軒下、2階部分など高所に侵入口がありそう
- フンや汚れが大量にある
- 自分で追い出したが再発した
- どこから侵入しているか分からない
建物に住み着いている可能性がある場合は、調査、追い出し、侵入口封鎖、清掃まで一連の対応を説明できる専門業者へ相談することをおすすめします。
相談先は料金だけで決めない
コウモリ駆除は、建物の高さ、屋根の形、侵入口の数、フンの量などによって作業内容が変わります。広告に表示された最低料金だけでは、実際に必要な作業や総額を判断できません。
現地調査後に、作業範囲、封鎖方法、清掃、追加費用、保証内容について説明を受け、納得してから依頼先を選んでください。
まとめ
安全な場所から被害状況を確認し、相談に必要な情報を整理することは自分でもできます。一方、建物に住み着いたコウモリを追い出し、侵入口を封鎖して再発を防ぐ作業には、専門的な判断と高所作業が必要になる場合があります。
無理に自分で作業せず、調査から追い出し、封鎖、清掃まで対応内容を説明できる専門業者へ相談してください。